・どうすれば新卒でも就職できるの?
ベンチャー企業への就職を考えている就活生のなかには、このような疑問を持っている人もいるのではないでしょうか。
なんとなくいいなという気持ちで志望して、入社後「こんなはずじゃなかった」と後悔したくないですよね。
そこでこの記事では、ベンチャー企業で働くメリット・デメリットや向いている人の特徴、新卒でベンチャー企業へ入る方法を解説していきます。
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業とは、革新的な技術やアイデアをもとに、世の中にはまだない新しい形態のサービスやビジネスを事業として展開している企業のことをいいます。ただ、実際には「資本金〇〇円以下、創業××年以内」などの明確な基準や定義があるわけではありません。
英語のVenture(冒険)から派生して、日本では「新規性」と「成長志向」を持って世の中にないサービスやビジネスを展開している企業をベンチャー企業と呼んでいます。
新しいサービスやビジネスを展開する企業
ベンチャー企業は「世の中にまだない新しいサービスやビジネスを展開している企業」を指しますが、その特徴としては次の傾向が挙げられます。
- 新たな分野を切り拓き事業を開始する起業家としての存在
- 事業に新規性・革新性・創造性がある
- 成長志向があること
- 起業・創業からの時期が比較的短い
- 事業・組織規模が比較的小さい
事業・組織規模は比較的小さな企業が多いですが、ベンチャー企業の定義は企業規模で決まるものではありません。その証拠に、メガベンチャーと呼ばれる大規模なベンチャー企業も存在します。
ベンチャー企業として定義されるのは、規模ではなく「新規性」「成長性」「革新性」といった特徴を持って世の中に新たなサービスやビジネスを生み出している企業といえるでしょう。
中小企業に分類される
ほとんどのベンチャー企業は、中小企業に分類されます。中小企業とは企業規模を表す分類方法のひとつです。中小企業とベンチャー企業を分けて考えがちですが、中小企業の中にベンチャー企業が含まれています。
また、中小企業基本法という法律で以下のように定義が決まっています。
(参照:中小企業庁HP 「中小企業・小規模企業者の定義」)
ベンチャー企業とほかの企業の違い
ベンチャー企業に就職を考えるなら、ベンチャー企業とほかの企業の違いを知っておきましょう。特に大企業とはメリット、デメリットが異なるので、違いを整理できるとキャリア選択の参考になるでしょう。
また、ベンチャー企業と似た言葉に「スタートアップ」「社内ベンチャー」があります。同じ意味だと思っている就活生も多いのではないでしょうか?共通点もありますが、違いもあるのでそれぞれ解説していきます。
編集部 橋本
- 大企業との違い
- スタートアップ、社内ベンチャーとの違い
大企業との違い
ベンチャー企業と大企業の主な違いは以下が挙げられます。
- 会社規模
- 社会的信用
- 福利厚生
- 仕事の裁量
- 評価制度
大企業のなかには社員数10万人を超える企業がありますが、ベンチャー企業は少ない企業では10人程度です。
ベンチャー企業にはない大企業のメリットとして知名度が高く、安定しているイメージがあるため、社会的に信用されやすいことが挙げられます。また、企業によって違いはありますが、ボーナスや退職金はもちろん、社宅、家賃補助、食堂、勉強の支援など福利厚生が手厚い傾向があるのも大企業の特徴です。
一方で、ベンチャーは任される仕事の裁量が大きく、評価も成果主義が多いので、やりがいを感じやすく、結果を出せば出世がしやすいのが特徴です。大企業は大きなプロジェクトを大人数で動かすことが多いため、裁量が少なく、出世も時間がかかる傾向があります。
スタートアップ、社内ベンチャーとの違い
スタートアップとベンチャーの違いはビジネスモデルです。スタートアップは新しい技術やアイデアを使って新たなビジネスモデルを生み出すことを目的とした企業です。ベンチャー企業はすでにあるビジネスモデルのなかで、独自の技術や工夫で収益を高めることを目的としています。
そのため、スタートアップは創業からサービス完成まで赤字が続きますが、サービスが完成し、世の中に広がれば、一気に収益を伸ばすことができます。一方で、ベンチャー企業は初年度から黒字化が狙えるのが違いです。
社内ベンチャーは、すでにある企業内に作られる新しい部署のことです。少ない人数で新しいビジネスを立ち上げる点はベンチャー企業と同じですが、母体となる企業の資源を使うことができ、失敗しても職を失うことはない点がメリットです。しかし、安心感からモチベーションにばらつきが出てしまうこと、企業の方針に存続が左右されてしまうことなどがデメリットになります。
新卒でベンチャー企業に就職した人の口コミ
世の中に新たな革新的な商品やサービスを生み出しているベンチャー企業に対して、華やかなイメージを持つ人も多いのでは?
実際にベンチャー企業に新卒で就職した人はどのように感じているのでしょうか。新卒でベンチャー企業に就職した人の口コミをまとめてみました。
- 短期間で濃厚な経験を積めた
- 大手から転職してくる人が多い
- マニュアルがないのに高度な知識を要求された
短期間で濃厚な経験を積めた
新卒でベンチャー企業に入ったときの話
1か月目:営業職(新卒史上最速受注)
2か月目:広報(初の展示会開催)
6か月目:新規事業開発兼務(サービスリリース)
12か月後:電力売買(年間30億円規模)動き早すぎでやったことを仕組みに落としきれなかったのが悔しいけど、濃厚すぎて濃厚すぎる…
— 😋あき😋@普通のマーケター (@_businessplus_) June 6, 2020
ベンチャー企業で働く魅力といえば、大手企業では味わうことができない「スピード感」と「個人の裁量の大きさ」といえるでしょう。
積極的に手を挙げれば、経験の有無に関わらず業務を任せてもらえるケースも多いです。
編集部 橋本
大手から転職してくる人が多い
これ私の偏見ですけど、ベンチャー企業で働いてる人ってめっちゃ大手から来た人多くない?その人たちがもうバリバリ活躍してるのに、新卒で「成長したいです!!」っつって入ったところで何が成長できるんだろうって思っちゃうの🥺てか成長ってなに🥺
— 。🐥 (@nmrrker) April 1, 2020
ベンチャー企業はスピード感を持って規模を拡大していきます。それに伴い、採用活動も急ピッチでおこなう必要があります。
成長がめざましく注目されているベンチャー企業には、大手企業から転職してくる人材も珍しくありません。大手企業からの転職組は仕事の基礎能力が高いことから、あっという間に活躍する人も多いでしょう。
編集部 橋本
マニュアルがないのに高度な知識を要求された
新卒で入った会社は東証1部には入ってるけど実質ベンチャーで、しかも新卒採用始めて2年目でマニュアルもまったくできておらず、まともな研修もないくせに専門店で高度な知識を客が当たり前に要求してくるという地獄だったので、新卒の方はまじで新卒採用歴とかも気にした方がいいです。まじで体壊すので。
— 白飯しゃもじ (@syamozi0902) March 16, 2020
ベンチャー企業には、事業拡大のスピードに仕事の仕組み化やマニュアル化が追いついていないところも。スタートアップなどの創業間もないベンチャー企業では、その傾向がさらに高くなります。
ベンチャー企業を志望する場合、研修制度や新卒社員に対する仕事の振り方がどうなっているのか確認しておいた方がいいでしょう。
編集部 橋本
ベンチャー企業に就職するメリット
実際にベンチャー企業で働く場合、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
ベンチャー企業に就職するメリットは大きく分けて次の3つです。
- 経験を積んでスキルアップできる
- 若手でも裁量を持って働ける
- 柔軟な働き方を推進している企業が多い
①経験を積んでスキルアップできる
ベンチャー企業で働く1つ目のメリットは、経験を積んでスキルアップできる点です。ベンチャー企業は、実践を通じて成長していく働き方を推進する企業が多いです。若いうちから積極的に仕事に取り組むことで経験をどんどん積むことができ、自分自身のスキルアップに繋がっていきます。
ただ、経験を積んでスキルアップすることがゴールではない点は注意が必要です。企業はあくまでも利益を生んで欲しいと思っているからこそ成長を促しているので、結果を残すことが重要になります。仕事の結果を残すことで昇進スピードが早まる可能性があるので、若手ながら管理職を目指せるというメリットもあります。
②若手でも裁量を持って働ける
ベンチャー企業で働く2つ目のメリットは、若手でも裁量を持って働ける点です。ベンチャー企業は一般企業と比べて少人数の企業が多い分、個人が担当する仕事の範囲が広くなります。そのため、若いうちから責任感のある仕事を任される傾向があり、裁量を持って働くことが可能です。
また、ベンチャー企業の扱う事業やビジョンは変化が早い領域が多いため、常に最先端のサービスやビジネスを提供するスピード感を求められます。今まで世の中になかった革新的なサービスを提案できれば、若手の考案したものであっても受け入れられる可能性が高いです。
このように、若手でも事業の提案や責任感の大きな仕事ができることはベンチャー企業で働くメリットといえるでしょう。
③柔軟な働き方を推進している企業が多い
ベンチャー企業で働く3つ目のメリットは、柔軟な働き方を推進している企業が多い点です。ベンチャー企業は比較的新しく創業した企業が多いため、一般企業と比べるとフレキシブルな働き方ができる企業が多くあります。
例えば、オフィスへの出社は限定的でリモートワークがメインという働き方や、社員1人ひとりの希望に合わせた勤務時間に働くことができるフレックス制度を導入している企業は珍しくありません。また、副業を認めている企業もあり、本業以外の収入を確保できる点も魅力といえます。
独創的な働き方やルールのもとで柔軟に働くことができるのは、ベンチャー企業ならでのメリットといえるでしょう。
ベンチャー企業に就職するデメリット
ベンチャー企業に就職するメリットがある一方でデメリットも存在します。メリットだけでなく、デメリットも把握したうえで就職するかどうかを決めるといいでしょう。
デメリットについてはすべてのベンチャー企業に共通するわけではないので、志望する企業の情報を正しく把握することが大切です。
ベンチャー企業に就職するデメリットは大きく分けて次の3つになります。
- 終身雇用ではないことがある
- 教育体制が整っていないことがある
- 給料や福利厚生の整備が不十分なことがある
①終身雇用ではないことがある
ベンチャー企業で働く1つ目のデメリットは、終身雇用ではないことがあるという点です。ベンチャー企業の多くは、日本企業の多くが採用する「終身雇用制度」や「年功序列」という形態を取っていません。むしろ、年俸制を採用している企業が多く、結果を残せば年収が上がる一方で、結果が出なければ年収アップは見込めません。
また、ベンチャー企業自体が企業を成長させるために常に勝負をしているため、終身雇用という考え方自体馴染みません。ベンチャー企業では「企業に入ったら定年まで勤める」という安易な考えは通用しないため、ベンチャー企業への就職は「安定志向」を持っている人にはおすすめできません。
ただし、ベンチャー企業に就職をして結果が出せなくても、日本国内にある企業に就職する限りでは滅多なことがない限りクビになるわけではありませんので、そこは安心してください。
②教育体制が整っていないことがある
ベンチャー企業で働く2つ目のデメリットは、教育体制が整っていないことがあるという点です。そもそもベンチャー企業は創設間もない企業が多いことに加えて、新しい事業やビジネスを次々立ち上げているため、業務内容が整備されていない場合が多くあります。
誰かに教えてもらうというより、自分で仕事を進めながら業務を習得していくことになります。多くのベンチャー企業で「実践を通して成長をする」という働き方が必要です。ベンチャー企業で働く場合、即戦力として働きつつ、足りないところは自分で勉強しながら補う姿勢が求めれるでしょう。
③給料や福利厚生の整備が不十分なことがある
ベンチャー企業で働く3つ目のデメリットは、給料や福利厚生の整備が不十分なことがあるという点です。大手企業に比べると、ベンチャー企業は財務体力面で劣後します。そのため、安定的に昇給する企業と違って、成長途上にあるベンチャー企業の給料は低い傾向になります。
また、退職金制度や各種保険といった福利厚生面が整っていない場合も多いといえます。安定した給料や福利厚生を求めたい人がベンチャー企業に入社した場合、ミスマッチを感じるかもしれません。
一方で、事業が成長した場合にインセンティブを支給したり、最近では福利厚生の充実をはかる企業が増えてきているのも事実です。少人数のベンチャー企業であれば、自ら声を上げて必要な制度を導入することもできることでしょう。
ベンチャー企業に向いている人の特徴
ベンチャー企業で働くメリット・デメリットを紹介してきましたが、実際にベンチャー企業はどのような人が向いているのでしょうか。ベンチャー企業は特徴的で個性的な企業も多いため、誰でも向いているわけではありません。
ベンチャー企業に向いている人の特徴を踏まえて、ベンチャー企業へ就職するか考えましょう。
ベンチャー企業に向いている人の特徴は次の3つです。
- 自走できる
- チャレンジ精神が高い
- 数年後に管理職を目指すなどの野心がある
①自走できる
ベンチャー企業に向いている人の1つ目の特徴は、自走できることです。ベンチャー企業では指示をされて動くのではなく、積極的に動いてチャンスを作る働き方が求められます。状況に応じて自ら判断し、行動していく「自走力」が重要です。
上司・先輩からの指示を待っているだけでは、活躍するのは難しいです。何度も述べているように、ベンチャー企業は人員が限られているため、業務を手取り足取り教える時間はないに等しいと言えます。「新卒だから」という甘い考えは通じないと考えておいた方がよさそうです。
変化の激しいベンチャー企業で生き残って活躍できる人は、自主的に行動する「自走力の高い」人といえるでしょう。
②チャレンジ精神が高い
ベンチャー企業に向いている人の2つ目の特徴は、チャレンジ精神が高いことです。ベンチャー企業は、世の中にまだない新規性のある事業やビジネスを「0→1」に創造していく組織といえます。そのため、新たな領域を開拓していくチャレンジ精神が求められるでしょう。
常に世の中の動きに敏感になり、難しい課題にも意欲的にも取り組んでいかなければなりません。「とにかくやってみる」というチャレンジ精神がなければ、現状維持に留まってしまいます。「0→1」を創り出すためには根気強さも求められるので、勢いだけでなく継続的に取り組む姿勢も必要といえるでしょう。
③数年後に管理職を目指すなどの野心がある
ベンチャー企業に向いている人の3つ目の特徴は「数年後に管理職を目指したい」などの野心があることです。ベンチャー企業では若いうちから裁量のある仕事を任されるので、インパクトの大きい結果を残せば昇進が期待できます。
若手でも仕事の幅や量が多いので、優先順位付けやスケジュール管理などの自己の業務マネジメントスキルが必要不可欠になります。仕事で結果を残すことに加え、マネジメントスキルを若いうちから身につけておくことで、入社数年後の管理職昇進も夢ではありません。
「20代で管理職」「最年少役員」などの高い野心がある人は、年功序列の大手企業よりもベンチャー企業への就職が向いているといえるでしょう。
向いていない人の特徴
向いている人とは逆にどのような人にベンチャー企業は向いていないのでしょうか。就職を考える前に向いていない人の特徴も確認しておきましょう。向いていないのにベンチャー企業に入社してしまうと後悔することになります。
ベンチャー企業に向いていない人の特徴は次の4つです。
- 決められた仕事をこなしたい人
- 制度が整った企業が良い人
- 年功序列で出世したい人
- ワークライフバランスを重視している人
よしお
キャリアの神様
決められた仕事をこなしたい
内容や進め方が決まっている仕事をしたい人、自分で考えながら行動するのが苦手な人にはベンチャー企業は向いていません。
ベンチャー企業は仕事の進め方やマニュアル、教育体制が整備されていないことが多く、自分で考えながら仕事を進める必要があります。いきなり仕事を振られ、やり方から考えなければならないこともあるでしょう。ルールが厳密ではないので、自分で考えながら仕事ができるのがベンチャーの魅力とも言えます。
また、ベンチャー企業は社員のモチベーションが高く、主体的に仕事に取り組む人が多いです。経験のない仕事にもどんどんチャレンジすることが好まれます。新しい仕事へのモチベーションが低かったり、仕事を振られるのを待っていたりすると、成果を上げて評価されるのは難しいでしょう。
制度が整った企業が良い
ベンチャー企業では福利厚生や教育制度をはじめとした社内ルールが整っていないことが多いです。例えば次のようなことが挙げられます。
- 家賃補助や退職金など福利厚生が充実していない
- 新入社員の教育制度がない
- 総務部や事務などのバックオフィス業務を担当する部署がない
すべてのベンチャー企業がそうとはいえませんが、大半の場合大企業のような手厚い福利厚生はそろっていません。また、大企業なら新入社員への研修があったり、教育制度が整っていたりしますが、ベンチャー企業では教育制度がなくいきなり実務が始まる場合もあります。
総務部や事務などのバックオフィス業務を担当する部署がないこともあります。営業がやりたくて入社しても、単純な発送作業や契約書の処理などやりたくない事務作業もやらなければならない可能性があります。
年功序列が良い
競争が苦手で、年功序列で評価されたい人にはベンチャー企業は向いていません。ベンチャー企業では評価制度を実力主義、成果主義にしている企業が多いです。後輩が自分より先に出世することもあれば、先輩社員を追い抜いて出世できる可能性もあります。
また、収入も会社の業績や個人の成績によって上がり下がりが激しい傾向があります。結果を残して、どんどん昇給したい人にはおすすめですが、安定した昇給を望むならベンチャー企業は避けるべきでしょう。
ワークライフバランスを重視している
ベンチャー企業は仕事量が多く忙しくなりがちです。ワークライフバランスを重視する人には向いていないと言えるでしょう。
ベンチャー企業では成果主義としている企業も多く、成果を上げるほど評価されます。成果を上げるために仕事量が多くなり、激務になる傾向にあります。また、そもそも人手不足だったり、サポートスタッフがいなかったりと、担当業務が多いのも影響するでしょう。
忙しいときは寝る直前まで仕事をする必要があったり、週末も働かないと仕事が終わらなかったりする可能性もないとはいえません。やりがい重視でプライベートと切り分けず働く、仕事好きの社員が多い傾向です。仕事とプライベートを切り分けたい人は価値観が合わないと感じるかもしれません。
ベンチャー企業の選び方
ベンチャー企業の選び方として、ベンチャー企業のどこにメリットを感じたかを整理して、メリットが得られる企業かを確認して選びましょう。ベンチャー企業なら必ずスキルが身につき、裁量の大きい仕事ができ、働き方が自由なわけではありません。企業や業種によって仕事内容も働き方もさまざまです。
- 磨きたいスキルが身につくか
- 裁量を持って働けるか
- 希望の働き方はできるか
- ハードワークが苦にならないほど興味を持てる事業か
以上を基準に選ぶことをおすすめします。
編集部 橋本
磨きたいスキルが身につくか
ベンチャー企業は自分のキャリアプランに合うスキルが身につくかの視点で選びましょう。
そのためには将来の目標から逆算して必要なスキルを考える必要があります。個人で独立して働きたいなら、ITスキルなど個人で仕事を取りやすいスキルが身につくかどうか、大企業に転職したいなら、マネジメントスキルなど大企業では身につきにくいスキルが身につくかどうか、などを考えてみましょう。
一方で、ベンチャー企業のなかには大企業が手を回していない、ニッチな市場(すきま産業)でビジネスを展開し収益を上げている企業もあります。ニッチな市場のスキルは持っている人が少ないので需要がある場合もありますが、ほかの企業では活かせない可能性も高いです。どんなスキルを得て今後のキャリアにどう活かしたいか、未来予想図と照らし合わせて企業を選びましょう。
仕事はまかせてもらえるか
ベンチャー企業の裁量権の大きさに魅力を感じているなら、事前にどのような仕事を任せてもらえるか確認するようにしましょう。すべてのベンチャー企業が裁量権が大きいわけではありません。
また、幅広い仕事を任されたいと考えているならベンチャー企業が成長のどの過程にいるか確認しましょう。
ベンチャー企業は立ち上げ初期や中期か、後期かで仕事内容が異なります。初期や中期なら幅広い仕事を裁量権を持って任せてもらえる可能性が高いです。
一方で、成長後の規模の大きいベンチャーでは役割も細分化し、一人ひとりの社員が専門性を持って働いている場合が多くなります。
仕事を幅広く任されたいと思うなら、立ち上げ初期や中期のベンチャー企業を選ぶことをおすすめします。
希望の働き方ができるか
ベンチャー企業は働き方の自由度が高いイメージがありますが、すべてのベンチャー企業にあてはまるわけではありません。
- リモートワーク制度
- フレックスタイム制度
- 副業、兼業OK
上記など、希望する条件があるなら、入社前に必ず確認するようにしてください。また、同じ制度であっても企業によって内容は異なります。たとえば、同じリモートワークでも以下のような違いがあるでしょう。
- 自宅でのみリモートワーク可
- 好きな場所でリモートワーク可
- 居住地が自由
同じフレックスタイム制でも企業によってコアタイムも違います。自分がなぜその働き方を求めていて、どのような制度がある企業なら実現できるか整理してからベンチャー企業を選ぶようにしましょう。
自主的に勉強できるくらい興味を持てる事業か
業界の最新の動向について情報収集したり、必要なスキルについて勉強したり、自主的に勉強できるほど事業に興味を持てるかも重要です。
ベンチャー企業は仕事量が多く、残業が多くなったり、休日に働かなければいけなくなったりすることもまれにあります。また、成果主義・実力主義であり、社員も仕事好きが多いので、仕事は仕事と割り切って働いていると評価されない可能性が高いです。
仕事量が多くても楽しんで働けそうか、自主的に勉強することが苦にならない事業内容かを考えるようにしてください。どの会社選びでも重要ですが、特にベンチャー企業は強い興味を持っていないと働き続けるのが難しいでしょう。
よしお
キャリアの神様
こんなベンチャーは危険!
ベンチャー企業のなかには就職を避けた方が良い危険な企業もあります。具体的には次のようなベンチャー企業です。
- 企業の人数に対して募集人数がやたら多い
- 社長の経歴が怪しい
- 過去に問題を起こしている
- すぐに内定が出る
危険なベンチャー企業に入って、キャリアを無駄にしないように見極めるポイントを抑えておきましょう。
よしお
キャリアの神様
企業人数に対して募集人数がやたら多い
会社規模が小さいにもかかわらず新卒を大量に採用している企業は要注意です。大量採用をしていても大企業など従業員の人数が多い企業は問題ありません。
日経「スマートワーク経営」調査によると企業における新卒入社の社員比率は平均3.8%となっています。また、500人未満の企業では5.1%となっているため、これらの数字を参考に考えてみると良いでしょう。
募集人数がやたら多い企業の特徴として以下が挙げられます。
- 辞める前提で採用をおこなっている
- とにかく人を集めて売上を使い潰そうとしている
どちらにしても新人を教育して大切に育てる考えがない可能性が高いので、注意が必要です。大量採用は確実に危険とは言えませんが、以下で紹介する危険なベンチャー企業のほかの特徴と合わせて確認しておくことをおすすめします。
社長の経歴が怪しい
社長の経歴が怪しいベンチャー企業は注意が必要です。ベンチャー企業の社長のなかには以下のように経歴が怪しい社長がいます。
- 経歴が掲載されていない
- 会社名や卒業大学名が曖昧に記載されている
以上のような場合は注意が必要です。社長の経歴は公開されていることが多いですが、掲載されていなかったり、「一流大学を卒業」「一流企業出身」「大手企業から独立」「一部上場企業で経験を積み」など企業名が隠されている場合は注意が必要です。明確に書かないことで、経歴詐称ギリギリの書き方をしていたり、実際の経歴より良く見せようとしていたりする可能性があります。
ベンチャー企業は社長の権限が大手企業よりも強く、社長に共感できるかが重要になってきます。就職を考える場合は、どのような経歴があって、どのような志をもっているのか、事前に確認しておきましょう。
過去に問題を起こしている
ベンチャー企業は社内ルールなどが整備されていないこともあり、不祥事を起こしている企業もあります。インターネットで事前に検索し、次のような情報が出てきたら注意が必要です。
- 社長が炎上した過去がある
- 社員が集団で問題を起こした過去がある
炎上や事件を起こしているからといって、必ず危険というわけではありません。炎上の理由や事件後の対応を見て、判断するようにしてください。改善をはかり、現在は健全に運営されている企業もあります。
一方で、くり返し炎上、事件を起こしているなど、改善や反省がみられない企業や問題を隠すために名前を変えて現在活動している企業もあるため、会社名で検索するときは念入りに調べることをおすすめします。
すぐに内定が出る
- 初回の面接でいきなり内定が出る
- 面接内容が雑談のみ
- 複数の面接があっても内容が薄い
上記のような場合は注意が必要です。人手不足でとにかく人がほしいブラック企業はすぐに内定を出してきます。大量採用と同じく、過重労働で新人を使い潰していたり、待遇が悪く離職率が高かったりする可能性があるでしょう。過去の経験や持っているスキル、人柄を重視していることもありますが、採用できるなら誰でも良いと考えているのかもしれません。
また、誰でも良いからと採用している企業では入社してから任される仕事もスキルの身につかない単純作業だったり、とても一人でこなせないような仕事量であったりします。内定が出るのは嬉しいことですが、舞い上がらず冷静に、入社しても問題ない企業か、企業情報や口コミサイトを見て考えてみましょう。
ベンチャー企業への就職に学歴は重視されない
ベンチャー企業の採用はやる気や能力、社員との相性で選ばれることが多く、学歴は重視されない傾向にあります。
学歴にコンプレックスがある就活生や人柄を見て評価してほしい就活生にはベンチャー企業はおすすめと言えるでしょう。大学のレベルだけでなく、高卒、専門卒も含めて学歴不問としている企業もあります。
ベンチャー企業では少ない人数で協力して結果を出していくことが必要です。そのため、社員との相性や仕事へのモチベーションを大切にしています。
新卒でベンチャー就職することで得られるもの
新卒でベンチャー企業に就職することでほかの企業では身につきにくい力を得られます。
- 経営の視点を持てる
- 課題解決能力
- 柔軟な対応力
いずれも規模が小さく、臨機応変な対応が求められるベンチャー企業だからこそ身につく能力です。ビジネスマンとして大切な能力ですし、特に将来的に起業を考える就活生には新卒でのベンチャー就職はおすすめと言えます。
編集部 橋本
経営の視点を持てる
ベンチャー企業で働くことで経営の視点が持てる理由として、以下の2つがあげられます。
- 社長との距離が近い
- 一人ひとりの責任が大きい
大手企業では社員が社長とかかわる機会はほぼないですが、ベンチャーでは社員数が少ないため、社長と距離が近く、かかわる機会が多いです。社長から直接経営の話を聞けたり、会社の方針決定にかかわれたりと経営の視点が磨けます。
また、一人ひとりの責任が大きいのもベンチャーの特徴です。普通の企業では会社全体の売上ではなく自分の成績や部署の売上を考えて仕事をするのが一般的です。一方で、ベンチャーでは人数が少ないため、一人ひとりが会社全体の利益を考えて働かなければなりません。必然的に会社全体の利益を考える経営の視点が身につくでしょう。
課題解決能力
ベンチャー企業ではマニュアルやルール整備が十分でないことが多いです。そのため、仕事で課題が出てきたときに誰かに教えてもらったり、社内のノウハウを使って解決したりできません。自分で考え、解決していく必要があるため、課題解決力が身につきます。
課題の種類も大企業などと比べてさまざまです。ベンチャー企業では任される仕事の範囲が広いので、課題に直面する機会が多くなります。経営が大企業と比べると安定していないため、1つの課題が経営にも影響が出るほど重要な場合もあるでしょう。
困難な状況で頼れる人もいないなか、論理的に思考してアイデアを絞り出して課題と向き合うことで、課題解決力が磨かれていくでしょう。課題解決力は変化の激しい現代でビジネスマンとして大切な能力の1つです。
柔軟な対応力
ベンチャー企業では変化が多いです。規模が小さいためフットワークが軽く、会社の方針が変更されたり、新しい事業が始まったりと業務が変わることもしばしば。ある程度、決められた仕事をおこなう企業も多いですが、ベンチャー企業では同じ仕事だけしているのは難しいでしょう。そのため、変化に対応できる柔軟性が身につきます。
柔軟性を身につけることで次のようなメリットがあります。
- トラブルにも適切な対応ができる
- 時代の変化に対応できる
- 職場環境の変化に対応できる
- 相手のことを尊重できる
- 新規事業にもスムーズに対応できる
頑固な人より柔軟な人との方が一緒に仕事はしやすいですよね。いずれもビジネスマンとしての長所となり、あらゆる企業からも求められているスキルです。
新卒でベンチャー企業に就職する方法
ベンチャー企業で働くメリット・デメリット、向いている人の特徴を踏まえて「ベンチャー企業に就職したい」と思った方も多いのではないでしょうか。しかし、どうすれば新卒でベンチャー企業に出会い就職できるのでしょう? マイナビやリクナビに登録しているのは大手企業が大半なので、ベンチャー企業を見つけるのはなかなか大変です。
そこでここからは、ベンチャー企業を見つけて就職する方法を紹介します。
逆スカウト型のサービスを利用する
新卒でベンチャー企業に就職するには、逆スカウト型のサービスの利用がおすすめです。逆スカウト型のサービスは、サイトにプロフィール登録をするだけで、企業側からスカウトがくる仕組みになっています。
逆スカウト型のサービスに参加している企業は、大手企業からベンチャー企業に至るまで幅広く存在しています。優良ベンチャー企業が多く参加していることから、普通に就活をしているだけではなかなか見つけられない企業との出会いも期待できます。
企業側は興味を持った学生にしかスカウト送らないので、通常よりもスムーズに選考が進む可能性が高い点が魅力です。
おすすめの逆求人サイト20選!実際に使った先輩100人が徹底比較
OfferBox
OfferBoxは、大手企業からベンチャー企業に至るまで、7,000社以上の企業が登録している逆スカウト型のサイトです。企業からのオファー率が93.6%と非常に高く、学生の利用率は3年連続でNo.1となっています。
また「AnalyzeU+」という優良な適性検査を無料で利用でき、自己分析に役立てられる点も嬉しいサービスといえます。OfferBoxの登録企業の85%が非上場企業で、その多くはベンチャー企業です。クラウド名刺管理ツールでお馴染みの「sansan」や、メガベンチャーに成長した「ATEAM」などの優良ベンチャー企業が登録しています。
OfferBox (オファーボックス)の評判は?利用のメリットデメリットと必勝法を紹介
キミスカ
キミスカは、プロフィールを登録しておくことで企業からスカウトを受け取れる逆スカウト型のサイトです。プロフィール情報を一度記入しておくだけで、スカウトされた企業の面接をエントリーシートなしで受けられます。
また、逆スカウト型のサイトでありながら、就活コンサルタントを利用できる点も特徴といえるでしょう。キミスカには、イモトのWiFiのサービスを展開している「エクスコムグローバル」やインターネット広告代理店の「アドウェイズ」などが登録しています。
キミスカって怪しい?評判やメリット、デメリット、有効な使い方を徹底解説
dodaキャンパス
dodaキャンパスは、約6,200社以上の企業が登録している逆スカウト型のサイトです。企業からのオファー率は98%と圧倒的な数字を誇っており、登録したほとんどの学生が企業からスカウトを受けています。
また、ほかの逆スカウト型のサイトと異なり、学生側が気になる企業に対して「オファーリクエスト」を送ることができます。dodaキャンパスには、総合不動産のメガベンチャー企業である「ザイマックス」が登録しています。
dodaキャンパスの評判はどう?利用者の口コミやメリット・デメリットをまとめて紹介
就活エージェントを利用する
就活エージェントを利用することでも、新卒でベンチャー企業に就職することは可能です。就活エージェントはプロの就活アドバイザーが就活の進め方・選考対策・自己分析の方法などの相談を親身に乗ってくれるサービスで、面談を通じて本人の希望や適性を踏まえて自分に合った企業を紹介してくれます。
就活エージェントの中にはベンチャー企業との繋がりが強い企業もあるため、自分にあったベンチャー企業を紹介してくれることでしょう。
また、企業紹介だけでなくベンチャー企業の選考を受けるにあたってのアドバイスやマインド持ち方など、有益な情報を教えてくれるでしょう。
キャリアチケット
キャリアチケットは「質より量」を重視する就活を目指していることから、企業を厳選して紹介しています。面談を通じて得られた情報をもとに自分の価値観に合った企業を厳選して紹介してくれる点が特徴です。
また、紹介企業についても自分に合った企業を紹介してくれることから、ベンチャー企業への就職にマッチしていると判断された場合はベンチャー企業の紹介を受けられるでしょう。代表的なベンチャー企業としてフリマアプリを開発した「メルカリ」なども参加企業に含まれています。
さらに、キャリアチケットでは「人事や面接官が何を見ているのか?」という観点から改善点のアドバイスをおこなっており、しっかりと面接対策にも力を入れてくれるエージェントです。
キャリアチケットとは?実際に使った就活生の体験談、評判・口コミをまとめました キャリアチケットは怪しい?実際に利用した私の体験談とおすすめの利用法を解説します
JobSpring
JobSpringは、就職することを目的とせず、入社後のキャリア形成を見据えてアドバイスからサポートまでを徹底してくれるエージェントです。JobSpringは、エージェントとの面談結果と、独自のAIマッチングを元に自分に合った企業を約1,000社の中から紹介してもらえる点が特徴といえます。
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【手厚いサポートNo1】JobSpring(ジョブスプリング)の特徴と利用するメリット
キャリセン就活エージェント
キャリセン就活エージェントは、自分の適性や希望に合った企業紹介してもらえるエージェントサービスです。
キャリセン就活エージェントのコンサルタントはコンサル歴10年と経験豊富なことから、的確なアドバイスが期待できます。紹介企業の中には、キーエンスの社内ベンチャーとして発足した「IPROS」などのベンチャー企業も含まれています。
さらに、コンサルタントから選考後のフィードバックを受けることができる点も魅力です。選考の評価結果を知ることで次回以降の選考に役立てられるので、内定を獲得できる確率を少しずつ上げられるでしょう。
キャリセン就活エージェントの特徴と評判を徹底解剖【内定まで最短1週間】
メリットデメリットを把握した上で就活サービスを使って内定を獲得しよう
革新的な技術やアイデアをもとに、世の中にはまだない新しい形態のサービスやビジネスを事業として展開しているベンチャー企業。ベンチャー企業に就職することで、成長速度が加速できる可能性があります。
「ベンチャー企業働きたい」という就活生は、逆スカウト型のサービスや就活エージェントなどを活用して内定獲得を目指しましょう。
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ベンチャー企業の探し方|優良企業が見つかる就活サイト14選【特別推薦ルートもあり!】企業エントリーから内定まで就活が一気に進むサービス
自分に向いてる企業が分からない。人事に評価されるESってどうやって書いたら良いの?面接対策もしておきたい。などなど、就活はやることが多いのに正解がわからないものが多く不安になりがちですよね。
そんなときはエージェントを使ってみましょう。現状分析から面接対策、さらには企業へ直接推薦してくれるという”一人ではできない部分”まで助けてくれるのがエージェントです。
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運営はベネッセと転職市場第2位の規模を誇るパソナが母体のベネッセi-キャリア。これまで転職市場で築いてきた太いパイプを活かして新卒紹介サービスを行っているため、優良企業の取り扱いが多いのが特徴です。
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