面接官が質問かないか確かめるのにはどんな意味があるんだろう?
面接の最後に必ずと言っていいほど聞かれる「最後に質問はありますか?」という逆質問。
逆質問は、自分が本当にこの企業でいいのか? と企業を見極めるための質問でもあります。
逆質問ではどんなことを質問すべき? と疑問を持つ就活生のみなさん、外資系コンサルティングファームから大手IT企業、メガバンクなど複数の企業から内定をもらった僕が、そのお悩みを解決させます。
この記事では、選考別にすべき逆質問や印象を下げないための注意点について解説していきます。
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面接で採用担当者が「質問はありませんか?」と聞く理由
イメージとの不一致解消のため
逆質問はまず、イメージとの不一致解消のためを目的としておこなわれます。
これは、企業側と就活生側どちらにも言えることです。
例えば「若い社員からプロジェクトに参加し経験が積める」と企業のホームページで謳っているとしましょう。
就活生はそこを魅力に感じて入社したのにも関わらず、1年たっても2年目になっても作業的な仕事しかさえてもらえない場合は、早期離職に繋がる可能性もあります。
例えば、以下のような質問をすれば実際の働き方を知ることができ、イメージとの不一致が解消されます。
就活生
就活生の志望度を確かめるため
面接で逆質問をする理由として、就活生の志望度を確かめるという目的があります。
面接官としては、就活生の自社に対する志望度は気になるところです。
面接官によっては「質問がない=志望度が低い」と捉える人もいるため、積極的に質問をするかによって自社への志望度が高いかを確認しています。
そのため、入社意欲をアピールするような質問を積極的にすることで、面接官に「当社で働きたい意欲がある」という印象を与えられ、志望度の高さをアピールすることができます。
逆質問をする時は、こうした企業側の「志望度チェック」という意図を理解したうえで、志望度の高さをアピールする質問を積極的にしていきましょう。
社風や価値観のマッチ度を確かめるため
企業側は、就活生との価値観や方向性などのマッチ度を非常に重要視しています。
例えば、自主的な成長を重視している企業に「入社後の教育体制」などを聞いてしまうと「自発的に学ぶ意欲が低い」という印象を持たれてマイナス評価になるかもしれません。
無理に企業ごとに合わせる必要はありませんが、企業の特徴を踏まえて質問をしてみるとよいでしょう。
就活生の疑問や不安を解消するため
企業側が逆質問を促す意図としては、単純に就活生の疑問や不安を解消するという目的もあります。
企業としては優秀な人材を確保するために少しでも企業の魅力をアピールしたいと考えています。
また、就活生に対して適切に情報提供をする必要があります。
入社前に疑問や不安を解消してもらう意味でも、企業は採用において逆質問を活用しているのです。
キャリアの神様
よしお
逆質問をする時の心構え
逆質問をアピールに繋げるためにも、逆質問をする時の心構えを把握しておきましょう。
- 入社前に知っておきたいことを質問する
- やる気をアピール
入社前に知っておきたいことを質問する
逆質問をする時はその企業のことで入社前に知っておきたいことを質問するように心掛けましょう。
就活では、最終的に自分に適した企業を1社選ばなければなりません。
入社後に後悔しないためにも、入社前に多くの情報を知っておくことは重要です。
そのため、逆質問を「企業について詳しく知ることができるチャンス」と捉え、入社前に知っておきたいことを積極的に質問していきましょう。
ホームページや会社説明会では知れない情報を聞くのもよいです。
逆質問で情報を入手し、その企業が自分に合っているのかを確かめるように心掛けておきましょう。
やる気アピール
面接の場での逆質問は、自分が抱いている疑問を解消するためだけでなく、自分自身を売り込むチャンスでもあります。
入社後のイメージを膨らませようと具体的な仕事の中身を聞くことで、「この会社で頑張るんだ」というやる気をアピールできるでしょう。
例えば、入社後をイメージするために、「仕事のやりがい」「今までで一番の困難」などを聞くことで、入社意欲が伝わります。
「特にありません」と言ってしまえば、興味を持っていないような印象を与えてしまうでしょう。
おすすめの逆質問
企業を知れる逆質問
おすすめの逆質問は、入社前の選考期間中にその企業を理解できる内容の質問がよいでしょう。
一次選考:(面接官)人事若手社員
- 入社してから一番の困難だったことはなんですか?どのように乗り越えたのですか?
- ○○さんが同業他社の中からこの会社に入社した決め手はなんですか?
- 入社前後でのギャップはありましたか?
- 職場の雰囲気はどんな感じでしょうか?
- 社員同士の交流の場(飲み会やランチ会)はどのような頻度でありますか?
- 仕事が終わってからはどのように過ごされることが多いですか?
- ON・OFFはどのように切り替えていますか?
二次選考:(面接官)グループのマネージャー・部長など管理職
- ○○さんがもっともやりがいを感じた仕事は何ですか?
- 御社ではどのような方が活躍されていますか?
- 他部門との連携や交流はありますでしょうか。
- 御社の理念である○○は、具体的にどのような事業に繁栄反映されているのでしょうか?
- 新しい事業を始める際、何が根本にあるのでしょうか?
最終選考:(面接官)役員
- 現状、御社が抱えている課題解決のために求める人物像を教えてください。
- ○○領域は競合他社も表れ始め、現代現状では向かい風のように思います。御社の5年後、10年後のビジョンを教えてください。
- 海外で働くことを目標としています。海外進出に当たり、選抜するとしたらどういった人材でしょうか?
このように経営戦略・仕事内容・企業風土に関する質問を中心にするとよいでしょう。
やる気をアピールする逆質問
自分が入社した後のことをイメージした逆質問をすることで、志望度ややる気の高さをアピールすることも可能です。
一次選考:(面接官)人事若手社員
・これまでに一番達成感を感じたエピソードがあれば教えてください。
二次選考:(面接官)グループのマネージャー・部長など管理職
- これから〇〇のようなスキルを学ぼうと考えていますが、御社では役に立ちますでしょうか。
- 〇〇のような仕事をしたいのですが、配属はどのように決まりますでしょうか。
最終選考:(面接官)役員
- 御社に入社できるとなった場合、心構えを押してください。
- 御社で成長する人はどのような特徴のある人でしょうか。
このように、企業が求める人物像や将来のキャリアパスに繋がる質問をすることで、その企業に興味があり入社意欲の高い人物だと捉えられるでしょう。
逆質問の注意点
- 調べれば分かる内容は質問しない
- 段階に応じた質問をする
- 答えにくい質問はしない
調べれば分かる内容は質問しない
逆質問での注意点は、調べれば分かる内容の質問はしないことです。
例を上げるなら、以下が該当します。
- 御社の企業理念を教えてください
- 主力の事業、製品は何ですか
- 勤務時間を教えてください
- 福利厚生にはどのようなものがありますか
企業ホームページに掲載されているような売上高や企業理念を聞いてしまうと、調べればわかる内容を確認していなことが分かってしまいます。
さらに、主力の事業や製品を聞いてしまうと「知らないのに受けてるの?」と志望度を疑われることに繋がりますし、勤務時間などの条件面は求人内容を見れば一目瞭然なので、そういった質問は避けるようにしましょう。
選考段階に応じた質問をする
逆質問をする際の2つ目の注意点は、選考の段階に応じた質問をすることです。
一次面接など比較的若手の社員が面接官の場合は、会社全体の話というよりも「これまで乗り越えた困難」など、その人の経験内で回答できる質問をすることが好ましいです。
さらに、二次面接以降の管理職クラスが出てくる選考の場では、今後の戦略や競合他社との差別化ポイントなどの会社全体についての質問をしてもいいでしょう。
経営者が面接官として出てくる最終面接では、業界全体の課題を触れた上で経営層視点の考えを聞くこともおすすめです。
答えにくい質問はしない
逆質問をする際の3つ目の注意点は、面接官が答えにくい質問はしないことです。
答えにくい質問は様々ありますが、その中でも特に個人差のある「年収・給料・ボーナス」「月の平均残業時間」などの質問は答えづらく、聞いてしまうとかえって印象を悪くします。
そもそも、年収や月の残業時間は募集要項に載っていることも多いので、聞くべきことではありません。
HPに載っていなかったからとはいえ、「年収・給料・ボーナス」について質問してしまうと、仕事の内容よりもお金を重点に探ししていると思われます。
実際に給与で会社を選ぶのであれば問題ありませんが、新卒の給与として平均の企業であればマイナスの印象を与えます。
「月の平均残業時間」を聞かれた場合も実態はどうであれ、人によってや時期によって差があることなので一概には言えず答えづらいのが本音です。
逆質問をする際は何でも聞くのではなく、仕事内容を理解するためや、キャリアビジョンを描くために必要な情報を聞くようにしましょう。
キャリアの神様
よしお
人事への確認を怠ったらどうなる?
企業に対して抱いているイメージと、企業の実態が乖離したまま入社してしまうとどうなるでしょうか。
もちろん「話が違う!」となってしまいます。
ここでは、その恐怖の具体例をお伝えします。
確認不足で起きた恐怖の事例2つ
- 社風が自分の性格と合わない
- 尊敬できる先輩や上司がいない
社風が自分の性格と合わない
企業によって、働き方や会社の雰囲気は異なります。
ガツガツとした雰囲気の企業もあれば、比較的おっとりとした職場環境の企業もあります。
2021卒以降、会社説明会やインターンをオンラインで開催する企業も増えており、企業の社風を感じ取ることが難しくなりました。そんな中での失敗例です。
A君は、飲料メーカーに内定しました。新商品を発売するうえでのマーケティングという自分のやりたいことも叶えられそうであり、安定した福利厚生です。
しかし、内定式で先輩や同期のテンションの高さや、ガツガツとした雰囲気にA君は不安になりました。
A君は、ガツガツした取り組み方ではなく、コツコツと慎重さが強みであり自分のペースで物事に取組むタイプです。
内定式の不安は入社後に当たり、仕事の進め方や周りとの雰囲気に馴染めずに、3ヶ月をもたずして、転職することになりました。
逆質問で社風を聞くのはOK
上記の対策としては、逆質問の際に「御社はガツガツした社風ですか? それともおっとりした人の多い雰囲気の社風でしょうか?」とストレートに聞くことです。
インターンや一次・二次面接といった選考の早い段階で現場の社員に逆質問することで、よりリアルな社風を聞くことができます。
選考から内定まで一環してオンラインという企業が増えている今だからこそ、社風を聞いて自分に合った働き方ができるのか検討する必要があります。
尊敬できる先輩や上司がいない
B君は希望するテレビ業界の企業に入社することができました。入社して気付いたのは、尊敬できる先輩や相談できる上司が誰一人いないということです。
先輩は常に自分の仕事で手がいっぱいで、B君の手が止まっていても見向きもしませんし、質問ができる雰囲気でもありません。
グループのなかで一番偉い役職の係長は10年も同じポジションにいながら、常に部長に言われるがままで、仕事で部下を振り回している状態です。
仕事も覚えることが出来ず、キャリアが見えないため、B君は入社1年たたないうちに転職しました。
長期的に働きたい人は社員のキャリアや仕事内容を逆質問する
上記の対策は、社員の経験を逆質問することです。
「○○さんがもっともやりがいを感じた仕事は何ですか?」「仕事を覚え一人前になるうえで何が大切でしょうか?」という質問で、社員が何を考えながら働き、いままでどんな経験を積んできたのかを知ることができます。
社員が殺伐としている状態や、管理職がやりがいについて答えられない場合、職場内に尊敬出来る人ができず、キャリアに失望する可能性があります。
腹の内を探り合う就活なんて止めだ!しっかり逆質問しておこう
就活生も企業の人事も隠し事をせずに100パーセント真実でぶつかり合ったら、ミスマッチも減り、早期離職となる可能性も少なくなります。
逆質問は、企業が就活生のやる気を確認するためのものと思われがちですが、就活生が企業を見極める場でもあります。
ホムページに記載していることがすべてとは限りません。
せっかく逆質問の機会があるので、実際に働く人に、実情を聞き、入社後のミスマッチを減らしていきましょう。
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