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就活氷河期の再来か|採用動向とこれからの就活に必要なこと

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氷河期がきて就活難になるのか?
内定0だったらどうしよう・・・

この記事を開いたあなたは、22卒が就職氷河期なのではないかと恐れを抱いているのではないでしょうか?

2020年、新型コロナウイルス感染症の影響で就活は一変しました。航空会社大手のANAグループが2021卒の新入社員採用を中止したのは記憶に新しいです。

他にも、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)も採用を中止するなど、人気業界で次々に暗いニュースが続きました。

就活生に大規模なダメージを与える「就活氷河期」は訪れるのでしょうか。

この記事では、気になる24卒の就活の動向を詳しく解説していきます。

そもそも就職氷河期ってなに?

大学(学部)卒業者の進路状況

進路状況

そもそも就職氷河期とはどのような状態を指すのだろうか。

このグラフを見ていただけると、1993年(平成5年)~2005年(平成17年)と2011年(平成23年~2013年(平成24年)の間の就職者割合が落ち込んでいることがわかると思います。

これがいわゆる就職氷河期です。

  • 1993年(平成5年)~2005年(平成17年)=長期的な就職氷河期
  • 2011年(平成23年~2013年(平成24年)=短期ではあるが“超”就職氷河期

このような時期は就職氷河期と言われ、就職氷河期に就活しないといけないせいで「200人採用だった企業に、その年8人」「そもそも募集がゼロ」という状況に追い込まれたそうです。

就職氷河期は、かなりのハードモードだと感じます。

では、24卒にも同じように就職氷河期が訪れるのでしょうか?

24卒に就職氷河期は訪れない

2020年に流行し始めた新型コロナウイルス感染症は就活にも大きな影響を及ぼしました。

2020年卒の就活までは売り手市場が続き、各社採用意欲は非常に旺盛な状況でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で採用数を抑制する企業も少なくありません。

そんな中「就職氷河期が来るのでは?」と、不安を抱えている就活生は多いのではないでしょうか?

結論から言うと、24卒に就職氷河期は訪れません。

社会全体に大きな影響を与えている状況においても、就職氷河期が訪れない理由を詳しく見ていきましょう。

2000年の就職氷河期よりも有効求人倍率が高い

有効倍率参照:リクルートワークス研究所 第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)

就職氷河期と言われた2000年の有効求人倍率は0.99倍と、就活生一人あたりに対して求人数が1社以下という状況でした。

それに対して、新型コロナウイルス感染症の影響をもろに受けた2021年卒における有効求人倍率は1.53倍と、就職氷河期に比べても高い水準ということがわかります

また、リーマンショックの影響を受けた2012年卒の有効求人倍率1.23倍と比べても、明らかに今の方が高い水準にあります。

このように、就職氷河期やリーマンショック時とは状況が異なっていることに加え、業界によっては採用意欲の旺盛な企業も多数存在するため、これから就職氷河期になることは考えにくいといえるでしょう。

2000年は卒業後進学も就職もしない人が12万人いた

就職氷河期と言われていた2000年当時は、バブル崩壊後の初の消費増税、アジア通貨危機、大手金融機関の破綻が相次いで起きたことから、企業の採用意欲が急速に下がっている時代でした

そのため有効求人倍率も年々低下していき、その影響で2000年には大卒者の就職率は6割を切って大学卒業後に進学も就職もしない、いわゆる新卒無業者数は12万人にものぼりました。

企業側が採用数を絞りすぎたことで、社員の年齢構成がいびつになり苦労した経緯もあり、よっぽどのことがない限り2000年当時のように採用数を大幅に減らすことはないです。

このことを踏まえても、就職氷河期は訪れないと言えるでしょう。

2024年卒の採用はどうなる?

2024年卒では就職氷河期は訪れないことは理解できたと思いますが、実際に2024年卒の採用はどのうようになるのでしょうか。全体的に見えれば2023年卒とそれほど大きく状況が変わるわけではありません。

しかし、生活様式が一変したこともあり、業界によって状況が大きく異なってきます。ここからは2024年卒の採用動向を見ていきましょう。

企業の49.4%が「新卒採用見通しは変わらない」としている

採用見通し参照:株式会社リクルート ワークス採用見通し調査(新卒:2022年卒)

企業の2024年卒の採用動向は、2023年卒と比べると採用数を増加させる企業よりも減らす企業の方が若干多いものの、企業の49.4%が「新卒採用見通しは変わらない」としています

前年に比べると採用数を増やす勢いは鈍化しているものの、企業は永続的な会社経営を前提として企業の競争力の根源である「ヒトの採用」は継続する見込みです。

2021年卒の採用と同じように新卒採用を継続する企業が全体の半数近くあることから、ここから一段の落ち込みはないといえるでしょう。

多くの企業で採用は増加傾向

「建設業」「製造業」「流通業」「金融業」「サービス・情報業」の5つの業種大分類では、採用見通しが増加しています。さらに細かく業種を14に分けた中分類でも「教育・学習支援業」を除くすべての業種が増加傾向です。

すべての業種がコロナ禍前の状態まで回復したわけではありません。しかし、前年は大分類の5つの業種のうち4つが減少傾向だったことを振り返ると、新型コロナウイルス感染症による採用への影響はなくなりつつあるでしょう。

前年に比べて増加傾向にあるのは、企業がコロナ禍での採用活動に慣れてきていることも影響しているかもしれません。来年以降も大きく落ち込むことはないと予想されます。

この2年でオンライン面接やオンライン就活イベントも一般的になりましたね

編集部 橋本

情報通信業・機械器具製造業は大幅に増加傾向

特に大幅に増加傾向だった業種は「機械器具製造業」「情報通信業」の2つです。いずれも新型コロナウイルス感染症による需要増加が要因と考えられます。

「機械器具製造業」ではテレワークの普及により、デジタル機器の売上が増加しました。実際、おうち時間を充実させるために、パソコンや家電、ゲーム機などを購入した人も一定数いますよね。

「情報通信業」もコロナ禍での生活の変化により需要が増えています。今や生活の一部となっているオンライン会議ツールをはじめとしたオンライン化やペーパーレス化の推進の影響です。

IT業界はもともと変化が激しい業界で、需要増加、技術の進歩に対して、人手不足であることも関係している可能性もあります。

採用見通しが低下していた飲食店・宿泊業も回復

前年大幅に低下した「飲食店・宿泊業」は全業界の中でもっとも採用見通しが増加しています。
新型コロナウイルス感染症による影響が大きく、業績が大きく落ち込んだ企業も多かった業界です。 ただ、採用の増加傾向をみるに徐々に回復に向かっています。

新型コロナウイルス感染症により休業期間も長く、採用の見送りや人材離れもありました。業界の回復見込みに対して、人手不足な状況も影響しています。

また、前年の大幅低下を考えると、今年の増加を踏まえてもコロナ禍前の状態まで戻ったとは言えません。新型コロナウイルス感染症の影響を受けやすい業界だけに、今後の見通しも予想しにくいです。ただ、設備投資やテイクアウト、デリバリーなど対策も取られており、少なくとも前年のような落ち込みは防げるでしょう。

これからの就活に必要なこと

必要なこと

「今やるべきこと」と「身につけておいた方がいいこと」を整理して将来に備えよう

2024年の採用は就職氷河期とまではならないものの、従来と比べて変化を余儀なくされる場面は多く訪れるといえるでしょう。

過去のやり方や考え方に囚われるではなく、大変な時こそ変化に対応できる柔軟性を持つことが大切です。それぞれを具体的に解説します。

業界の変化に柔軟に対応する

航空業界(JAL・ANA)は新卒採用の停止を発表するなど、毎年のように就職人気の高かった業界でも経営状況は一変してしまいます

さらに、日本型の働き方の特徴である終身雇用制度や年功序列型賃金体系といった制度を見直す企業も増えており、アフターコロナ時代を見据えて業界・企業の変化も著しくなっていくことが予想されます。

これまでのように「大企業に入れば安定だ」と考えるのは安易とも言えます。「大企業だから安心」という考えは捨てて、柔軟に対応することが求められます。

編集部 橋本

入社して終わりではなくスキルアップを視野に入れる

「就活は内定を獲得する」ためにやること」と考える人がいますが、これは間違いです。

「自分の理想を実現するためのひとつの手段」が就活です。入社して終わりではなくスキルアップを視野に入れた就活をおこないましょう。

1つの企業に定年まで勤めていた時代と違って、現在はキャリアアップのための転職も十分に可能な時代です。

もし将来的に転職を考えているのなら、最初に入社した企業でしっかりとスキルを身につけて実力をつけて、本当に行きたい業界や企業に「選ばれる人材」になりましょう

このような時代だからこそ「どこに就職するか」よりも「何を身につけるか」「将来のために何をすべきか」というスキルアップを視野に入れた就活がより重要になります。

本当に行きたかった企業の採用枠が少なかったり、中止になったことで新卒での就職ができないケースもあると思います。新卒で就職できないのはとても心苦しいですが、まだまだ中途採用などのチャンスもあります。諦めずにキャリアを積んでいきましょう。

編集部 橋本

内定獲得のために取り組むべきこと

前年に比べて回復傾向にあるとはいえ、しっかりと対策をしなければ内定獲得は難しいです。ここでは、内定獲得に必須の対策を就活の流れに沿って紹介します。

やるべきことは以下の4つです。

  • 自己分析
  • 業界研究
  • ES対策
  • 面接・GD対策

まずは自己分析で自分の価値観や大切にしたいことを確認することから始めましょう。次の業界研究では自分の価値観に合った業界を探していきます。選考対策では自己分析をもとにESや面接・GD対策を万全にし、内定を獲得しましょう。

自己分析

自己分析は就活のはじめの一歩とされています。目的は以下の2つです。

  • 仕事選びの基準にするため
  • 自分のことをわかりやすく伝えるため

世の中にはたくさんの業界や職種があります。自分に合っている業界、職種がなにかを知るためには、これまで自分がどんなことに楽しさや嬉しさ、やりがいを感じてきたかを知るのが近道です。

また、就活では自分のことを他人である採用担当者にわかりやすく伝える必要があります。自分の良さがわからないまま選考に進んでも、自分をアピールするのは難しいかもしれません。

自己分析は以下の3ステップでおこないましょう。

  1. 自分が楽しい、嬉しい、頑張った、大変だったと感じた出来事を書き出す
  2. それぞれの出来事でなぜそう感じたか深堀りする
  3. 自分の感じ方の共通項を探し大切にしてきたこと、価値観を見出す

業界研究

自分の価値観にあった企業を探すためには、さまざまな業界について知る必要があります。また、希望する業界で内定を獲得するには、業界についての深い理解も必須です。

業界研究の方法は以下になります。

  • インターンシップに参加する
  • 合同説明会に参加する
  • OB訪問をする
  • 新聞、TV、雑誌を読む
  • 業界団体のHPを見る
  • 本を読む

インターンシップや合同説明会、OB訪問など実際に企業と関われる場に行くことで、活躍している社員の特徴や力を入れている事業など濃い情報を仕入れられます。また、新聞やTV、業界団体のHPを通して、最新の情報を自分で調べることも大切です。業界の最新動向は面接で問われることも多く、業界知識を問われる質問にも対応できるようになるでしょう。

「業界地図」など業界についてまとめた本も出版されているので、参考にしてみてください。

ES対策

次に選考の最初のステップ、エントリーシート(ES)の対策です。
印象に残るESを書くポイントは2つ。

  • インパクトのある内容にする
  • わかりやすくする

採用担当者は大量のESに目を通しています。ありきたりな内容は読み飛ばされてしまうので、通過するにはインパクトが必要です。自己分析で洗い出した独自のエピソードを入れて書くようにしてください。

また、せっかく内容がよくても、わかりにくければ採用担当者には伝わりません。わかりやすいESを作る方法としてPREP法を取り入れるのをおすすめします。

PREP法は以下の頭文字が由来です。

  • Point:結論
  • Reason:理由
  • Example:具体例
  • Point:結論

結論→理由→具体例→結論の順で構成することで、伝わりやすく説得力のある文章が作れます。

面接・GD対策

対面の選考は大きく以下の3つに分けられます。

  • 集団面接
  • グループディスカッション(GD)
  • 個別面接

集団面接は2〜5人の就活生が同時に面接を受ける形式です。一人あたりの持ち時間が短くなるので、簡潔にわかりやすく回答をまとめておきましょう。

GDでは4〜6人のグループに分けられ、与えられた課題について議論します。GDでは積極性や思考力、協調性などが評価対象です。いずれも社会人として必要なスキルになります。

GDで発揮される能力と必要な理由
  • 積極性:議論の内容、姿勢を評価されるので、積極的に議論に参加しなければ評価されない。「聞いているだけ」にならないように議論に参加する。
  • 思考力:論理的な思考をもとに発言できているかが評価される。「なんとなく」ではなく根拠とともに発言する。
  • 協調性:グループで協力して議論を進めるために必要になる。自分の意見は必要ですが、周りの意見も聞きながら議論する。

自分の意見を持って、積極的に議論に参加してください。

個別面接は就活生1人に対しておこなわれる面接です。一般的にGDや集団面接の後におこなわれ、集団面接と比べ、話す時間は長く、内容は深くなります。円滑にコミュニケーションが取れるか、熱意はあるか、ESと話している内容に相違はないか、などがみられるポイントです。

面接とGDは場数を踏むことが上達の近道になります。一人で対策するだけでなく、友人との練習なども取り入れるようにしましょう。

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就職氷河期の再来はないが変化に対応して就活を進めよう

新型コロナウイルス感染症により、2022年卒の就職活動は多少なりとも影響が出ることは避けれません。

一方で、20年前の就職氷河期と比べて有効求人倍率は高水準、各企業の採用意欲も減退していないので、就職氷河期が再来することはないといえるでしょう。

ただ、業界・企業によっては今後の働き方の変化は避けられず、就活生には柔軟な対応が求められます。

時代に応じた変化に柔軟に対応することや、自身のスキルアップを視野に入れた働き方を意識して就活を進めましょう。

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