修士2年で就職するか、博士課程に進んでから就職するかは非常に大きな分かれ道です。「博士は就職に不利なのでは…?」とあなたも不安に思っているかもしれませんね。
実際いろんなサイトを見てみても「博士の就職は厳しい」と言われていますが、実はそんなことはありません。博士課程に進んでも一般企業に就職することは可能です。
この記事では博士の就活事情をご紹介しましょう。これを読めば「博士号」のブランドを就活で有利に使う方法が分かります。
1.「博士課程」の就職が不利と言われる理由
- 新卒の年齢が高い
- 博士課程まで進む知識を活かせる就職先が少ない
文部科学省の調べによると博士課程修了者の就職率は年々微増していますが、令和3年で68.4%ほどしかいません。
修士の就職率が75.8%であることと比べると、博士の就職率があまり良くないことが分かります。
博士課程に進む人は「研究がしたい」という人が多く、そもそも就活をせずポスドク研究員として大学に残る研究者も多いので、修士より就職率が低くなってしまうことも仕方ないとも考えられます。
しかし、ここまで博士課程の就職率が低い理由について、まず解説します。
1-1.新卒の年齢が高い
博士の就職は早くて27歳です。学部生の新卒が23歳からであること考えると、上司が年下になる可能性もありますね。若年の社員が多い企業からすれば少しやりにくいかもしれません。
さらに「伸びしろ」の点では学部生や修士と比べて劣ることは確かです。ある程度失敗したとしても修士までの就活では社内教育次第で伸びしろがある、と考えられて内定が貰えることもありますが「博士」がこれを期待するのは難しいです。
ポテンシャル採用の側面で弱い
4年生大学の新卒者や修士課程修了者が貰える採用は「ポテンシャル採用」が大半と言われています。ポテンシャルとは能力や可能性など、目には見えないものです。
つまり、その人物像や背景に対して、期待できるものがあると判断され採用されることです。
ポテンシャルが高評価される理由のひとつに「若さ」と「未熟さ」があります。若くて未熟だからこそ、企業カラーに染めやすいとも言えます。
一方、博士修了者は独自の価値観が形成されていることも多いので企業は「即戦力」として活躍できる人材を求める傾向にあるようです。
1-2.博士課程まで進む知識を活かせる就職先が少ない
大学院の場合、博士課程に進学すると修士課程と違って、より専門的な研究を進めていくことになりますが、その博士課程で学んだ研究や知識を活かせる就職先が少ないのが現実です。
博士課程まで進むと研究領域が修士までに比べ、より高度になることに加えかつ専門的になることから、その内容をダイレクトに活かせる仕事は非常に限定的になります。
また、博士課程の中でも機械・電気・情報・材料などの工学系の専攻であれば、研究内容が実学的なこともあり知識を活かせる企業を見つけやすい一方で、物理・数学・地球惑星などの理学系の専攻では、研究内容は企業との関連が低い内容となってしまい、博士課程で学んだ知識を活かせる就職先は少なくなるでしょう。
専門以外の企業を志望すると「なぜ?」と思われやすい
博士課程の学生は博士課程で学んだ知識を活かす就職先が少ないことから、多くは自分自身の専門以外の企業も受けることになります。しかし、特定の研究に関する専門性を高めるために博士課程に進んだにも関わらず、専門以外の企業を志望すると「なぜ?」と思われやすい点が難点です。
このように、ただでさえ専門知識を活かせる就職先が少ないことに加え、専門以外の企業を受けると疑問を抱かれるという悩ましい状況が博士課程の就職が不利と思われる原因となっています。
キャリアの神様
2.「博士」の就活スケジュール
修士までの採用においては経団連指針に準じて、3月から広報が解禁となります。しかしそれは修士までの話。博士は対象外であり、企業は時期を気にせず早くから採用に乗り出しているところがほとんどです。
特に製薬会社など研究職を求め、博士過程の採用に積極的な企業ほど、早めに人材確保をしたいため、選考の時期も早まります。
9月時点で3月修了予定者の募集をおこなう企業も少なくありません。このように、博士課程に進む人の就活は、大学院に進むときに同時に就活もすすめておく必要があるのです。
よしお
3.博士は本当に就職に不利なのか?
- 専門性は評価される! 研究の充実度が重要
- 専門職を希望しない場合は人柄勝負
3-1.専門性は評価される! 研究の充実度が重要
博士課程の就活生は学士・修士課程の就活生と比べて、『専門性』こそが一番の差別化要因であり、唯一無二の特徴といえます。
そのため、学士・修士の中途半端な専門性ではなく、より高い専門性を持った人材を求めている企業であれば『専門性』の高さは何よりも重要視される評価ポイントです。
そのため、博士課程の就活生には何よりも研究の充実度が重要になってきます。研究内容を充実させることこそが、就職を有利に進める方法といえるでしょう。
ただし、注意したい点としては学士と修士に比べれば「博士課程在籍」というだけでも、専門性の差別化ポイントにはなりますが、ライバルはあくまで高い専門性を持った博士課程の就活生ということは頭に置いておく必要があります。
3-2.専門職を希望しない場合は人柄勝負
博士課程に進学しながらもその専門性を使わない選択肢を取る人もおり、専門職を希望しない場合は人柄で勝負していくことが求められます。
専門外の就職であれば特に大事になってくるのは研究活動で身につけた能力(論理的思考力・プレゼン能力・PDCAを回す力など)や、博士課程に在籍して得た能力(後輩に対する指導力・教授とのディスカッション能力など)アピールすることです。
研究内容や専門性でアピールするのではなく、研究活動で身につけた能力と研究経験から形成された人柄を全面にアピールしていきましょう。
専門外の就職で「何をアピールしたらいいのかわからない」と悩んでいる人は一度、研究活動を通して身につけた能力と人柄について整理することをおすすめします。
4.博士課程の就活方法
- 研究を成功させる
- 学生や教授にOB紹介してもらう
- セミナーに参加し社会人との接点をつくる
4-1.研究を成功させる
博士課程の就活を成功させるにあたって重要になってくるのが、何よりも研究を成功させることです。修士課程に比べると高い専門性を求められる博士の研究をやり切ることで身につくものが多くあり、結果的に就活にも繋がっていきます。
具体的には、博士の研究では「テーマ選定」「研究計画作成」「論文執筆」「学会発表」「後輩指導」など研究活動を通してさまざまなことを身につけることが可能です。
限られた時間の中で成果を求められることから、博士の研究をやり切ることは「0→1を生み出す力」に加えマネジメント能力も身につけられます。
こうした成果を出すまでの一連の流れの経験は、博士人材の真の価値です。研究を成功させることは、就活を成功に導く手段です。
4-2.学生や教授にOB紹介してもらう
博士課程の就活においても、企業分析や自己分析をすることで「自分が合っている仕事」を把握することは重要です。特に、博士課程に進学している分、「やりたいこと」への想いは強いため自分に合っている企業を見極めていくことがとても重要となります。
企業分析はOB訪問が有効的ですが、コネがない人も多いでしょう。そんな時は、研究室の後輩学生や教授にOBを紹介してもらうのがおすすめです。
後輩学生であれば、研究室以外のサークルやアルバイトなど比較的若い社員との様々な繋がりを持っていることでしょう。さらに、教授であればこれまで研究室を卒業していった幅広い年代の社会人との繋がりをもっているので、優秀なOBの紹介が期待できます。
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4-3.セミナーに参加し社会人との接点をつくる
OB訪問が難しい人であってもさまざまなセミナーに参加することで、社会人との接点をつくることは可能です。例えば就活セミナーであれば「自己分析」「業界研究」「企業研究」などの対策を学べるだけでなく、講師として社会人の方が参加しているケースが多いため接点をつくれます。
さらに、就活に関係のない自己啓発セミナーに参加することでも、社会人との接点を生み出せるでしょう。社会人と話をすることでキャリアについての考え方やその業界や企業についても知ることができます。
就活に関係のあるセミナーはもちろん、就活に関係のないセミナーであっても社会人と話すことで企業分析や自己分析のブラッシュアップが可能になるでしょう。
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OBや社会人と繋がることができる就活サービスとしておすすめなのは『HELLO,VISITS』です。 HELLO,VISITSは社会人やOBを検索して出会えることに加え、コミュニティ別のセミナーを数多く開催しています。
このセミナーは就活イベントというよりかは、「Career Design」「Inovator」「Consulting」「Date Science」といったコミュニティ毎の自己啓発セミナーに近い内容です。
さまざまな社会人と出会えるので興味がある人はぜひHELLO,VISITSに登録して参加してみましょう。
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5.博士の就職は選考時期に合わせた早めの行動が鍵
- 研究内容より「専門性が高い」ことと「柔軟性」をアピールすべし。
- 年齢の高さは経験の豊富さでカバーすべし。
- 修士より就活スケジュールが早い場合もある。企業の採用情報を自主的に確認すべし。
「博士は就職できない!」というのは嘘です。実際に就職率は年々改善しています。
特に注意しなければいけないのは企業の選考時期です。「学部生や修士課程の学生に情報が解禁されるころにはすでに博士の選考は終わっていた」なんてことで失敗するのは避けるべきです。
あなたが受けたい会社には目星をつけておいて、採用情報は早めに仕入れるようにしておくといいですね。
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