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実は知られていない?全業種対象の
「ものづくり補助金」を正しく理解!

ものづくり補助金は、中小企業庁および独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施している補助金制度で、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と言います(以下、「ものづくり補助金」)。毎年の予算規模も大きく、中小企業の間で最も人気のある補助金のひとつです。

今回は、ものづくり補助金の公募概要や申請手順について、詳しく解説していきます。制度の内容を正しく理解して、ぜひ申請にチャレンジしてみてください。

事務局からの一言!
「ものづくり」という言葉が名称に入っていることから、製造業に限定された補助金だと誤解している人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。例えば、衣料品販売店が顧客向けセミオーダーシステムの開発や販売を始めたり、飲食店が冷凍設備を導入してテイクアウト事業の生産性アップに取り組んだりする際にも、この補助金を活用することができます。
このように、ものづくり補助金の対象業種に制限はなく、新しいサービスや試作品の開発、生産性向上に取り組むのであれば、サービス業や小売業であっても補助の対象になるのです。また、創業間もない会社や個人事業主の方でも申請が可能となっており、多くの事業者に門戸が開かれている補助金であると言えます!

1. はじめに、ものづくり補助金の
概要を整理しよう!

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が、革新的なサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善などを行うために設備投資等をしたいと考えたとき、それを支援することを目的として交付される補助金です。前述の通り、業種に制限はありませんが、一定規模以上の資本金や従業員数がある大企業は対象外となります。

ものづくり補助金には、「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」「グローバル市場開拓枠」という5つの事業枠があります。それぞれの概要は以下の通りとなっています。

(1) 通常枠
革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援する枠。

通常枠
補助金額 従業員数
5人以下:100万円~750万円
6人~20人:100万円~1,000万円
21人以上 :100万円~1,250万円
補助率 2分の1 ※小規模企業者・小規模事業者、再生事業者は3分の2
補助対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

(2) 回復型賃上げ・雇用拡大枠
業況が厳しいながら賃上げ・雇用拡大に取り組む事業者(※)が行う、革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援する枠。
該当する場合、中小企業者でも補助率が3分の2に引きあがります!
※応募締切時点の前年度の事業年度の課税所得がゼロであり、常時使用する従業員がいる事業者に限る。

回復型賃上げ・雇用拡大枠
補助金額 従業員数
5人以下:100万円~750万円
6人~20人:100万円~1,000万円
21人以上 :100万円~1,250万円
補助率 3分の2
補助対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

(3) デジタル枠
DX(デジタルトランスフォーメーション)に関連する革新的な製品・サービス開発またはデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援する枠。投資内容が合致する場合、オススメです!

デジタル枠
補助金額 従業員数
5人以下:100万円~750万円
6人~20人:100万円~1,000万円
21人以上 :100万円~1,250万円
補助率 3分の2
補助対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

(4) グリーン枠
温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発または炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援する枠。

グリーン枠
補助金額 (エントリー類型)
従業員数

5人以下:100~750万円
6人~20人:100~1,000万円
21人以上:100~1,250万円

(スタンダード類型)
従業員数

5人以下:750~1,000万円
6人~20人:1,000~1,500万円
21人以上:1,250~2,000万円

(アドバンス類型)
従業員数

5人以下:1,000~2,000万円
5人~20人:1,500~3,000万円
21人以上:2,000~4,000万円
補助率 3分の2
補助対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費

(5) グローバル展開型
海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援することを目的としています。
具体的には、①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド市場開拓、④海外事業者との共同事業、のいずれかに合致するものが対象となっています。補助対象経費に海外旅費が含まれているのが特徴です。

グローバル展開型
補助金額 100~3,000万円
補助率 2分の1 ※小規模企業者・小規模事業者、再生事業者は3分の2
補助対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
事務局からの一言!
「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」に該当すると中小企業でも補助率が3分の2に引き上げられます。例年最も申請する方が多い「通常枠」、そして「デジタル枠」が今年度も申請する方が多くなると予想されます。

JSaaSでは、ここまでにご説明した概要を分かりやすく端的に解説した動画を会員限定で公開しています。お忙しくて見る暇がない、という方もながら見で結構です!

採択のポイントもお伝えしていますので、ぜひご覧になってみてください。
https://jsaas.jp/home/movie/detail/175
※クリックすると該当ページに飛びます

2. ものづくり補助金の申請手続き

ここからは、実際にものづくり補助金に申請する手順を見ていきましょう。
まずは必要書類の確認です。必要書類は、下記のとおりです。

・事業計画書
・補助経費に関する誓約書
・賃金引上げ計画の誓約書
・決算書
・従業員数の確認資料
・労働者名簿
・再生事業者であることを証明する書類(再生事業者のみ)
・課税所得の状況を示す確定申告書類(回復型賃上げ・雇用拡大枠のみ)
・炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況(グリーン枠のみ)
・大幅な賃上げ計画書(大幅な賃上げを行う事業者のみ)
・海外事業の準備状況を示す書類(グローバル市場開拓枠のみ)

1. 通常枠

これら以外にも、加点に必要な書類として任意での提出が求められているものもあります。詳しくは公募要領を確認してください。

必要書類が揃ったところで、いよいよ申請段階に入ります。ものづくり補助金の申請方法は、インターネットを利用した電子申請のみとなります。郵送等での申請は一切受け付けていませんので、注意が必要です。 「GビズIDプライム」のアカウントを用意してください。

無事にGビズIDプライムのアカウントが取得でき、必要書類も整ったら、マニュアルを参照しながら手続きを進めていきましょう。

事務局からの一言!
GビズIDのアカウントは、最初に1つ取得するだけで、有効期限や年度更新の必要はありません。ものづくり補助金の申請以外にも、社会保険の手続きなど様々な行政サービスに利用することができますので、この機会に1つ取得しておいて損はないでしょう。

GビズIDプライムの詳しい取得方法を動画で解説しています。初めて取得する方が躓きやすいポイントなどもお伝えしていますので、ぜひ一度ご覧ください。
https://jsaas.jp/home/movie/detail/36
※クリックすると該当ページに飛びます

3. 最後に、公募スケジュールを確認しましょう!

ものづくり補助金は、これまで平成24年度補正予算事業以降、制度内容を変えながら通年で公募が行われています。年に数回ある締切日のタイミングで、それまでに申込のあった事業者の採択審査が行われる方式です。これまでは、応募期間を約2カ月、審査期間を約1カ月として、6月・9月・12月・3月の四半期ごとに採択発表が行われました。今後もこの流れが続くものと予測されます。

正式なスケジュールは公式HPを確認してください。
https://portal.monodukuri-hojo.jp/schedule.html

締切日の間際は申請が集中してシステムにアクセスしづらくなることも予想されますので、時間に余裕を持って手続きを進めていきましょう。

4. JSaaSを活用して、
ものづくり補助金を申請しよう

今回は、ものづくり補助金の公募概要や申請手続きについてご紹介してきました。製造業に限られた制度ではなく、すべての業種で活用できる補助金であることがお分かりいただけたでしょうか。

ものづくり補助金のもうひとつの特徴として、再チャレンジが認められていることが挙げられます。通年で公募が行われているため、万が一不採択となっても、また次の締め切りに向けて申請することが可能となっているのです。

ぜひ、皆さんの事業展開の参考になればと思います。

事務局からの一言!
JSaaSでは、申請書類の書き方に不安があるという方のために、ものづくり補助金の申請書類の記入例や、合格した事業計画書が閲覧できるサービスをご用意しています。実際の申請書類の書き方から、よくあるケアレスミス事例集まで、さまざまな解説動画を随時公開していますので、ぜひご活用ください。

もしご自身での申請が難しいようでしたら、JSaaS事務局が格安でお手伝いすることも可能です。弊社所属の補助金・助成金コンサルタントがオンラインでの個別相談をお受けしておりますので、まずはお気軽にご相談ください(月1回まで無料です)。

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