総量規制とは?対象となる借入方法や超えた場合の対処法を解説

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総量規制の仕組みとは?

記事の監修者

沖元 晃司 2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士

行政書士おきもと事務所代表。相続関係・給付金申請代行などの業務を行っており、お金との付き合い方に関する相談・サポートを行っている。気軽に相談できる街の法律家として、活躍中。

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カードローンやキャッシングの審査で重要なポイントとなるのが総量規制です。

総量規制に抵触している場合、審査に通らない可能性があります

本記事では総量規制の対象となる借入方法や、超えた場合の対処法について解説します。新たに借入を検討している方は、本記事を参考にしてください。

総量規制とは

総量規制とは

総量規制とは、年収の3分の1を超える借入額で融資を行ってはならないという法律です。貸金業法に基づいて制定されています。

例えば、本人の年収が300万円の場合、100万円を超える借入はできません。ここで言う借入額とは、貸金業法が適用される全ての借入額を含みます。

例えば、A社で50万円、B社で30万円の借入がある場合、借入総額は80万円です。この場合、年収が300万円だと新たに20万円を超える借入ができなくなります。

総量規制は全ての借入に適用されるわけではない

総量規制は全ての金融機関やローンが対象となるわけではありません。例えば、住宅ローンは年収の数倍以上の借入が可能です。

総量規制には対象外のローンもいくつかあります。対象・対象外となるローンは以下の表の通りです。

総量規制の対象となるローン

総量規制の対象となるローンは貸金業者が行う融資全般です。

貸金業者とは

融資業務を行っており、財務局または都道府県から認可を受けている業者

例えば、消費者金融会社や信販会社が貸金業者にあたります。ただし、信販会社のクレジットカードや信用払いについては総量規制に該当しません。

具体的には、クレジットカードのキャッシングや消費者金融系カードローンが総量規制の対象です。

総量規制の対象外となるローン

貸金業者以外のローンは総量規制の対象外です。例えば、銀行や信用金庫などは融資を提供していますが貸金業者ではありません。

また、不動産ローンやマイカーローンなど、借入の使い道が明確に決まっているローンは総量規制の対象外です。その他、おまとめローンは貸金業者からの借入であっても総量規制が適用されません。

総量規制の範囲内でも借入できない可能性はある

借入金額が総量規制の範囲内でも審査に通るとは限りません。他の審査基準を満たしていない場合、借入できない可能性があります。

ローンの審査は様々な基準が設けられているため、落ちる理由は様々です。また、具体的な審査基準については公開されていません。

したがって、誰でも年収の1/3まで借入できるわけではない点に注意しましょう。

ローンの審査で見られるポイント

総量規制以外に見られる審査項目は以下の通りです。

ローンの審査で見られるポイント

  • 年齢・職業

  • 年収

  • 信用情報

  • 在籍確認

一般的には申込時に記入した情報を参考に、審査が行われます。どの貸金業者も審査基準について公開していませんが、貸金業法に基づいて審査します。

ローン会社ごとに細かい審査のポイントに違いはあるものの、ある程度共通した項目が見られるでしょう。

ローンの審査で重要なポイント

上記で説明した通り、ローン審査ではいろんな項目を見られますが、次の2点はかなり重要です。

ローンの審査で重要なポイント

  • 安定継続した収入があるか

  • 信用情報に問題はないか

特に、ローンの審査では継続的な返済が可能かどうかが重要です。したがって、過去の返済状況や収入面といった項目は重視される傾向があります。

安定継続した収入があるか

ローンの審査では収入と借入金額のバランスだけでなく安定性が重視されます。特に、収入の安定性を審査する上では「職業」が重要です。

例えば、正社員・公務員は毎月の給料の変動が少なく、継続的な雇用が見込まれるため、安定していると判断されます。一方でアルバイトや自営業などの職業は雇用や収入が不安定と見なされるでしょう。

ただし、職業に安定性がないからといって、必ずしも審査に落ちるわけではありません。他の審査項目とあわせて総合的に判断します。

信用情報に問題はないか

ローンの審査では信用情報も重要なポイントです。信用情報に問題があると審査に通りません。

信用情報とは

クレジット契約やローンの申込情報・過去の返済履歴を記録した情報。信用情報機関が加盟しているローン会社の情報を集めている。代表的な信用情報機関はCIC、JICC、KSCの3つ。

信用情報では、過去の借入に関する返済記録も確認できます。したがって、普段から返済に気をつけることが重要です。

信用情報に不安がある場合は、本人に限り開示請求できます。ただし、開示請求を行う際には料金がかかる点に注意しましょう。

総量規制をオーバーしている場合の対処法

総量規制をオーバーしており、貸金業者からの借入が難しい場合の対処法は以下の3点です。

上記の方法にはメリットだけでなくデメリットもあります。それぞれの注意点を理解しながら、自分に最適な方法を検討することが望ましいです。

おまとめローンを利用

総量規制を超えている場合にはおまとめローンの利用を検討しましょう。消費者金融のおまとめローンは総量規制の対象外です。

おまとめローンとは

複数の借入を1本化できるローンのこと

複数の借入をまとめることで、月々の返済額や金利を改善できる可能性があります。また、借入先を1本化することで、返済管理も楽になるメリットもあります。

おまとめローンの具体例

おまとめローンはすでに利用中のローンの借換にしか利用できません。新たな借入はできない点に注意しましょう。

銀行系のローンに申込する

総量規制をオーバーしている場合、銀行系のローンを検討しましょう。銀行系のローンは総量規制対象外のため、利用できる可能性があります。

ただし、銀行でも年収や返済比率についての審査は行われます。総量規制の対象外といっても、銀行は独自のルールを定めているため、他社からの借入金額が多すぎると審査に通る可能性は極めて低いといえるでしょう。

債務整理を検討する

新規借入や既存ローンの返済が難しい場合、債務整理を検討しましょう。

債務整理とは

借入金の減額や免除、支払期間の調整することで、法的に借金問題を解決する方法

債務整理は弁護士に相談することで誰でも利用可能です。借金を減額、免除することで借入を行わずに済む可能性があります。

何からすればいいか分からない方は、法テラスなどで無料相談をしてみると良いでしょう。

債務整理を行うと、信用情報に記録が残ります。したがって、債務整理後のローン申込は難しくなることを覚えておきましょう。

総量規制に関するよくある質問

Q1:総量規制を超えるとどうなる?

年収が減少するなどの理由で総量規制を超えた場合、新たな借入ができません。借入の申込を行っても審査に落ちてしまいます。ただし、総量規制を超えたからといって、すぐに一括返済を求められることはありません。

また、カードローンやクレジットカードのキャッシングは、契約期間内であれば引き続き借入可能です。契約期間終了後は再び審査が行われるため、利用限度額が変更となる可能性があります。

Q2:総量規制はどのように判断されている?

総量規制はローン申込時に提出する所得証明書類を通じて、前年の年収を算出します。また、申込人の信用情報を照会することで総借入額を確認可能です。

申込時に年収や借入金額を記入しますが、審査では申込内容と上記資料に間違いがないか確認します。虚偽の借入額・年収を記入してもバレてしまうため、正しい金額で申込みましょう。

Q3:総量規制の年収の基準となるものは?

総量規制の年収の基準になる収入は会社からの給料だけなく、年金や不動産収入なども含まれます。

年収の基準となるもの

  • 給与

  • 年金

  • 恩給

  • 定期的な不動産収入

  • 事業収入

上記のように、継続的な収入が見込めるものが年収の基準となります。逆に競馬やパチンコ、宝くじのようなギャンブルは一時的な収入として扱われるため、総量規制の年収基準には当てはまりません。

不動産収入や事業収入の中でも一時的な収入については年収に計算されないため注意が必要です。例えば、不動産を売却した際の利益は収入としてカウントされません。

まとめ

総量規制の対象となる借入では年収の3分の1を超える金額が利用できません。したがって、既存の借入を返済するか、総量規制対象外のローンを利用する必要があります。

ただし、総量規制対象外のローンを利用する場合でも借入額が大きいと返済が困難になる可能性があります。ローンの申込前に返済プランを立てて、無理なく支払いができるか確認することが望ましいでしょう。

監修者コメント

沖元 晃司 2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士

一見わずらわしい総量規制は債務者のため

借入額を年収の3分の1までという総量規制は、借りようとする側からすると一見わずらわしく思えてしまいますが、返済できずに困る人を減らす債務者保護が理由です。とはいえ、規制に関わらず、借入する場合は必ず自分の収入状況を考慮しましょう。

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