会社からお金を借りる従業員貸付制度とは?条件や注意点を解説

/

本コンテンツには広告を含む場合があり、記事内には企業のホームページへの広告リンクを一部掲載しています。
これらの広告を経由して読者が企業ホームページを訪れ、成約が発生すると弊社に対して企業から紹介報酬が支払われるという収益モデルです。

提携企業一覧

記事の監修者

涌井 好文 社会保険労務士、行政書士

涌井社会保険労務士事務所代表。社会保険労務士として、給与計算業務や助成金、年金といった分野のコンサルティングを行っており、お金との関わり合いが深い。
また給与の前払いや、福利厚生としての貸し付けなど、キャッシング分野における知見も有している。

>>涌井社会保険労務士事務所

会社からお金を借りる「従業員貸付制度」をご存知でしょうか?本制度は会社の福利厚生の一環として設けられている制度で、金融機関の借入に比べて金利が低く設定されています。

また、金融機関のような厳しい審査が必要ないため、信用さえあれば金融機関からの借入があっても利用可能です。とはいえ、デメリットや注意点があるのも事実です。

そこで今回は、従業員貸付制度の特徴、メリット・デメリットを詳しく解説します。最後まで読んだ上で、自身に適した借入方法をご選択ください。

会社からお金を借りることは可能|従業員貸付制度とは?

会社からお金を借りることは可能

急にお金が必要になった場合、会社からお金を借りることが可能です。この制度は、「従業員貸付制度」と言い、会社の福利厚生の一環として利用できます。

金融機関のようにビジネスとしてお金を貸すわけではないため、金利は比較的低めに設定されています。

また、本制度は会社の福利厚生なので、銀行や消費者金融など金融機関のような審査は行われません。加えて、在籍確認や自宅への郵便物もありません。

とはいえ、従業員貸付制度の可否は最終的に会社の代表者などが決めるため、まったくの無審査ではないことを覚えておきましょう。

すべての会社が従業員貸付制度を設けているわけではありません。本制度を導入していない会社の場合、会社からお金を借りるのは困難です。

給料の前借りとの違い

従業員貸付制度と給料の前借りの違いは、貸付金の資金源にあります。前借りは働いた分の給料を早めに受け取っているだけなので、もらうはずだった次の給料がその分減額されます。

前借りすればするほど次の給料が少なくなるという仕組みであるため、「前借りして給料が少ないからまた前借りする」という悪循環に陥る可能性があるため注意が必要です。

その一方、従業員貸付制度は会社からの融資であり、会社の資本から捻出されるお金であることから、次の給料が少なくなることはありません。社内審査に通過する必要があるとはいえ、生活費を圧迫させたくない方は、従業員貸付制度の利用を検討しましょう。

従業員貸付制度の借入金額

従業員貸付制度の借入金額は会社によって異なり、主に勤続年数や収入を基準に決定されます。また、会社の規模が大きくなればなるほど、借入金額も大きくなる傾向があります。

あくまで一例ですが、借入金額のイメージは以下の通りです。

勤続年数/役職借入金額
1年未満/新人〜10万円
1〜3年未満/一般社員10万円
3〜5年未満/主任30万円
5〜10年未満/係長50万円
10〜20年未満/課長100万円
20年以上/部長100万円〜

借入金額の基準は会社によってさまざまなので、正確に知りたい方は会社の総務や経理担当に直接聞きましょう。

従業員貸付制度は総量規制の対象にならないため、借入金額に法的な制限はかかりません。

従業員貸付制度の条件・利用用途

従業員貸付制度の条件・利用用途

勤めている会社に従業員貸付制度が設けられていても、申請すれば確実に利用できるわけではありません。会社によって条件や審査基準が設けられており、融資を受けるにはそれら条件や基準を満たす必要があります。

基本的に従業員貸付制度を利用できるのは正社員に限られており、派遣社員やアルバイトでは利用できないことがほとんどです。正社員とその他の雇用形態では、会社からの信用性が異なるためです。

会社もお金を貸す以上、あとで返済してもらう必要があります。返済できないという万が一のことを考え、従業員貸付制度の可否を検討しているのです。

また、会社によっては個人的に貸してくれる可能性もありますが、会社が本制度を設けていなければ利用できません。

借りたお金の使いみち

借りたお金は幅広い用途で使用できますが、基本的に使いみちが制限されています。従業員貸付制度で借りたお金は、以下のような使いみちが認められています。

使いみちの一例

  • 葬儀費用

  • 入院費用

  • 天災による修理費用

  • トラブルによる生活資金

従業員貸付制度は基本的に、「突然のトラブルが起きてその支払いの費用が足りない」といった場合に利用できます。そのため、ギャンブルや一般生活費、私欲による買い物などの利用は認められていないことがほとんどです。

また、同様の理由から、住宅ローンや自動車ローンへの利用も難しいと言えます。

一般生活費が困窮している場合は、会社の従業員貸付制度ではなく、国の公的融資制度を検討しましょう。

従業員貸付制度の申込方法

従業員貸付制度の申込方法

従業員貸付制度の申込みは、総務または経理担当が窓口の場合が多いです。具体的な申込方法は会社によって異なりますが、基本手順は以下の通りです。

  1. 上司または担当部署に利用したい意思を伝える

  2. 申込書類に必要事項を記入し、指定された書類とともに担当部署に提出する

  3. 総務や経理担当の審査が実施され、最終的に代表者の確認が行われる

  4. 社内審査に通ったあと、指定した銀行口座に振り込まれる

申込みに必要な書類

従業員貸付制度の申込みに必要な書類は、法的に定められているわけではなく、会社に応じて必要書類が異なります。基本となる必要書類は以下の通りです。

必要書類の一例

  • 申込用紙

  • 必要経費の見積書または領収書

  • 借用書または金銭貸借契約書

社内審査が通ったあとは、借用書または金銭貸借契約書を提出するのが一般的です。借用書は必ずしも定型文があるわけではないため、会社からの指定がなければ以下の項目を記入しましょう。

  • 作成日

  • 借入金額

  • 返済方法

  • 返済期日

  • 借受人情報

  • 貸出人情報

従業員貸付制度でお金を借りた場合は、お金を借りた証明ができるこれらの情報が記載された借用書を作成しましょう。

従業員貸付制度を利用する3つのメリット

従業員貸付制度を利用する3つのメリット

従業員貸付制度を利用するメリットは、以下の3つが考えられます。

  • 金融機関よりも審査に通りやすい

  • 低金利で融資を受けられる

  • 返済の手間がかからない

従業員貸付制度と金融機関の利用で迷っている方は、以下のメリットを確認した上で借入方法を選択しましょう。

1.金融機関よりも審査に通りやすい

ひとつ目のメリットは、金融機関よりも審査に通りやすいことです。従業員貸付制度は「すでにその会社で働いている」という信用があるため、金融機関のような厳しい審査をする必要がなく、簡単な審査のみで融資を受けられます。

また、「CIC」や「JICC」など、信用情報機関の照会も行われないことから、仮に申込者の信用情報に事故情報が登録されていたとしても、会社に知られることなく審査に通る可能性があります。

あくまで従業員貸付制度は「社員の生活を守るため」という福利厚生によるものなので、金融機関よりも審査に通りやすいのです。

2.低金利で融資を受けられる

低金利で融資を受けられることもメリットのひとつです。金融機関からの融資に比べて金利が低いのは、従業員貸付制度は利益を目的にしていないからです。具体的には、以下のような金利差があります。

借入方法実質年率
従業員貸付制度年1.6%〜4.0%
銀行カードローン年2.0%〜15.0%
消費者金融カードローン年3.0%〜18.0%

金利が高ければ高いほど、支払う利息の合計金額もその分多くなるため、お金を借入する際は金利が重要です。「支払う利息をできるだけ抑えたい」という方には、従業員貸付制度の利用が推奨されます。

3.返済の手間がかからない

3つ目のメリットは、返済の手間がかからないことです。会社から借りたお金は、基本的に給料からの天引きか、口座引落としのいずれかで返済します。

どちらも入社時に申請している情報なので、改めて口座を登録する必要がありません。また、毎月の返済金額も申込者の金銭状況を考慮してくれるため、無理のない範囲で返済金額を設定してくれることが多いです。

従業員貸付制度を利用する3つのデメリット

従業員貸付制度を利用する3つのデメリット

従業員貸付制度を利用する際は、以下3つのデメリットが考えられます。

  • 連帯保証人が必要となるケースが多い

  • 会社の従業員にバレる可能性がある

  • 返済を延滞した場合はリスクが大きい

従業員貸付制度を利用できないケースやトラブルに発展するリスクもあるため、これらのデメリットを理解した上で本制度の利用を検討しましょう。

1.連帯保証人が必要となるケースが多い

連帯保証人が必要となるケースが多い点には注意が必要です。「すでに会社で働いている」という信用はあるものの、会社側としてはすぐに退職されては困るため、ほとんどの会社は連帯保証人を必要とします。

連帯保証人とは

債務者が借金を返済しない場合に、債務者の代わりに借金を負う人のこと。

従業員貸付制度を利用する際は、仲の良い友人や家族、同僚に連帯保証人になってもらう必要があります。つまり、身の回りの人に本制度を利用することが確実にバレてしまうのです。

また、連帯保証人による金銭トラブルが後を絶ちません。思わぬトラブルにつながる恐れがあることを覚えておきましょう。

2.会社の従業員にバレる可能性がある

2つ目のデメリットは、会社の従業員にバレる可能性があることです。従業員貸付制度は会社の総務や経理担当を通して利用するため、社内従業員の誰かには確実にバレます。

また、小さい会社であれば、その噂が社内に広く伝わり、関係のない社員にまで知られるリスクがあるのです。そのため、誰にもバレずにお金を借りたい方は、従業員貸付制度の利用を控えるべきだと言えます。

なお、「会社や家族に内緒でお金を借りたい」という方には、消費者金融カードローンがおすすめです。消費者金融は周囲の人にバレないための配慮を徹底してくれるため、バレるリスクを抑えられます。

アイフル

金利
年3.0%~18.0%
借入限度額
1万円~800万円
融資スピード
最短18分※
アイフル
  • 融資まで最短18分も可能
  • 初めてのお借り入れなら30日間金利がゼロ円
  • 1秒診断で借入可能か事前に知れる

お申込み時間や審査状況によりご希望に添えない場合があります。

公式サイトはこちら

3.返済を延滞した場合はリスクが大きい

返済を延滞した場合のリスクが大きいことも覚えておきましょう。一度でも返済を延滞してしまうと、会社からの信用を一気に失い、出世のチャンスが回ってきづらくなります。

また、信用情報に悪影響を及ぼさないとはいっても、会社での立場に影響を及ぼす可能性もあるため、従業員貸付制度を利用する際は返済を延滞しないよう注意しましょう。

とはいえ、本制度は延滞しづらい返済方法や返済金額が設定されています。仮に返済が難しい場合でも、会社に相談をすれば返済期日を変更してもらえるなど、柔軟に対応してもらえるため過度な心配は不要です。

従業員貸付制度に関するQ&A

従業員貸付制度に関する疑問がまだ解消されていない方は、以下のQ&Aをご確認ください。

Q.会社からの借入なのになぜ利息が発生するの?

A.借入による課税を避けるためです

国税庁が指定する金利よりも低い金利で貸付を行った場合、会社側はその差額が給与としてみなされるため、貸付分が課税対象になってしまいます。この課税を避けるために、会社は最低限の金利を設定し、借入金額に対して利息を発生させているのです。

Q.金融機関からお金を借りているけど従業員貸付制度は利用できる?

A.利用用途によりますが、基本的に可能です

従業員貸付制度を利用する際は、金融機関からの借入や過去情報は確認されません。社内審査のみで完結するため、条件を満たしていれば基本的に利用できます。

しかし、ギャンブルや私欲目的で本制度を利用する場合、融資を受けられない可能性が高いので、あくまで「やむを得ずお金が必要」というシーンで利用しましょう。

Q.会社をやめる場合はどうなるの?

A.借入残高を一括返済しなければなりません

借入残高がある状態で会社を退職する場合は、基本的に残り金額を一括返済する必要があります。借入金額が大きい方は注意が必要です。一括返済が難しいのであれば、あらかじめ会社に相談しましょう。

まとめ

本記事では、会社からお金を借りる従業員貸付制度について解説しました。

従業員貸付制度は、福利厚生の一環として利用できる制度です。お金の使いみちや一部条件はあるものの、審査に通りやすい、金利が比較的低いなど、さまざまなメリットがあります。

とはいえ、会社の従業員にバレてしまうという大きなデメリットもあるため、良い点悪い点の両方を確認した上で、従業員貸付制度の利用を検討しましょう。

なお、消費者金融のアイフルであれば、勤務先への在籍確認は基本的に行っていません。加えて、自宅への郵送物もなしにできるため、「家族や会社にバレたくない」という方はアイフルの利用もご検討ください。

アイフル

金利
年3.0%~18.0%
借入限度額
1万円~800万円
融資スピード
最短18分※
アイフル
  • 融資まで最短18分も可能
  • 初めてのお借り入れなら30日間金利がゼロ円
  • 1秒診断で借入可能か事前に知れる

お申込み時間や審査状況によりご希望に添えない場合があります。

公式サイトはこちら

監修者コメント

涌井 好文 社会保険労務士、行政書士

従業員貸付制度を利用する際にはメリットとデメリットを比較検討することが大切

会社が独自に福利厚生として設けている従業員貸付制度は、審査や金利の面で金融機関からの借入より有利となることもあります。一方で、誰にも知られず借入を行いたい場合には不向きなど、デメリットも存在します。そのためメリットとデメリットを比較した上で、利用の検討をしましょう。

記事の編集責任者

佐野 希拓 Kihiro Sano

愛知県出身。高校・大学に通いながらフリーの作曲家として活躍する傍ら、WEB上でのさまざまな文章作成に携わる。転職を機に本格的な金融系ライターとして活躍し、メディア制作・運営実績は10サイト以上。作成した総記事数は400本以上。
「最適な意思決定支援」という信念を持ち、読者が納得できる記事制作を心がけている。